
『フローラとマックス』の中でも皮肉られていたし、彼のキャリアを追った本作『James Blunt: One Brit Wonder』でもまるで1発屋であるかのようなタイトルが付けられているけれど、これまで発表してきた7枚のオリジナル・アルバムは全てが全英チャートでトップ10入りを果たしているわけで、実際のジェイムス・ブラントは1発屋でも何でもない実力派シンガー・ソングライターなのだった。ただし、「You're Beautiful」があまりにも大ヒットしすぎたせいで世間から謂れのないバッシングを受け続けてきたのは事実であり、それに対してユーモラスかつ自虐的な返答をTwitterで続けてきた結果として、現在のTwitter芸人としてのジェイムス・ブラントの地位がある(自身のツイートをまとめた『How To Be A Complete And Utter Blunt: Diary Of A Reluctant Social Media Sensation』という本が出版されているほどのTwitter巧者なのだ)。
監督のクリス・アトキンスの前作はKLFのキャリアを追ったドキュメンタリー映画『Who Killed The KLF?』。KLFとジェイムス・ブラントを繋ぐキーワードは「ユーモア」だ。
