“私は昔からビリー・ブラッグの曲の大ファンなんだけど、そのへんに関してのビリーの言葉の秀逸さたるや! ただ普通に朝起きてコーヒーを淹れるって場面を描写してるだけなのに、それ自体が一つの詩みたいな映画のシーンみたいで、すごく特別な瞬間みたいに感じられるんだよね。日常の何気ないシーンの中に意味を見い出していくような、そういう感じが自分はすごく好きだし、それこそまさに音楽って素敵だなあって思うところなんだよね”
「ピアノの前に座ったからには正直な自分をさらすしかない」
自分の中の自分を強く抱きしめる、ステラ・ドネリー3年ぶりのセカンド
ステラ・ドネリーはビリー・ブラッグの大ファンとして有名ですが(父親からの影響でファンになったとのこと)、上記のインタビューで素敵なのは、ビリーの最新アルバム『The Million Things That Never Happened』(傑作)収録の「Reflections On The Mirth Of Creativity」についての話をしているってところ。彼女が言及しているのは以下のラインです。
Woke up this morning there was something dawning on me
Something I'd never seen, someone I'd never been
Came down for coffee and I could not find
Where I'd left my troubled mind
これの何が秀逸(ステラ曰く「映画のシーンみたい」)なのかというと、「Woke up this morning」→「Came down for coffee」という言葉だけで、この歌の主人公は2階建ての家に住んでいて、2階のベッドルームから1階の台所にコーヒーを飲みに来たということが分かるからです。物凄く映像的な情景描写。