そういえば昔から語られてきた、ドノヴァンの「Barabajagal」にスージー・クアトロが参加しているって話は誤情報っすよね。スージー・クアトロがミッキー・モストの秘蔵っ子であり、「Barabajagal」のバック・バンドを務めたジェフ・ベック・グループと交流があったことは間違いないけど、スージー・クアトロ自身がミッキー・モストと出会ったのは1971年と語っているので、1969年にロンドンでレコーディングされた「Barabajagal」に参加しているわけがない(映画『Suzi Q』を観ても彼女の記憶力の良さは際立っている)。おそらく『Troubadour: The Definitive Collection 1964-1976』にスージー・クアトロの名前がクレジットされているのでこの誤報が広まってしまったものと思われる。ただし、1972年に録音されたドノヴァン×ミッキー・モストのグラム・ロック・アルバム『Cosmic Wheels』にスージー・クアトロが参加しているのは確実。まさにこの時期はミッキー・モストによるスージー・クアトロの育成期間だったので。
あと、スージー・クアトロも含めて、この時期のドノヴァンのグラム・ロック勢との交友は面白いすよね。そもそもマーク・ボランの歌唱法はドノヴァンの影響下にあるし、ドノヴァンはドノヴァンでデヴィッド・ボウイの「Rock 'n' Roll With Me」をカヴァーしたり、アリス・クーパーの『Billion Dollar Babies』に参加したりしてるし。