「ゲイ・カルチャーやLGBTの世界でカイリー・ミノーグがこれだけ愛される理由は?」という質問にミッツさんは「B級だからです。トップじゃないってことなんです。2番手、3番手、もちろんトップもアイコンとしてはみんな大好きなんです。ゲイ・シーンって昔からちょっと陰に隠れちゃうとか、その下にいる人になんかとっても思い入れを注いでしまう傾向があって、このひと究極のB級なんですよ」と説明。
そういえば2011年に開催された(東日本大震災直後の)カイリー・ミノーグの来日公演にもミッツ・マングローブ来てたな。新宿二丁目でたまに開催されているカイリー・ナイトでも何度かミッツさんを見掛けたことがある。
東日本大震災後のカイリーのライヴ(2011年4月23、24、25日に開催)がほんとすごかったんですよ。海外のアーティストが軒並み来日をキャンセルしてた時期に、カイリーが「日本に行くわよ!」って宣言して、幕張に来て。で、液状化してるようなところを歩いて会場に着くと、もうそこが二丁目っていうか、プチプライドだったんです。私自身はゲイ・コミュニティの一員とは言えないけど、震災後の暗いムードを共有していて、でもそのすべてを忘れる解放感があった。カイリーがみんなの思いを受けとめて、誰よりも輝いて、楽しませることに尽くしていて。帰りの京葉線の電車もプチプライドだったから、楽しくてしょうがない(笑)。
先日リリースされた『Step Back In Time: The Definitive Collection』のCD3枚組バージョンに収録されている「F9 Megamix」は、カイリー・ナイトや来日公演での多幸感を思い出させるメガミックスでかなり素晴らしいです。
ちなみにおいらがこれまでの人生で観てきたライヴの中で最も歌が上手いと思った人がカイリー・ミノーグ。いわゆるマライア・キャリー的な「上手さ」ではないんだけど、ピッチが物凄く正確で絶対に音程を外さないんすよね。たとえば森高千里の歌の上手さなんかはカイリーのそれに非常に近いと思う。