クリス・ロックの『トップ・ファイブ』はとても楽しかった。週1ぐらいのペースでこういう映画をダラダラと観たい。なんというか、リチャード・リンクレイター作品の影響下ではなくて、ジュリー・デルピー作品の影響下にあるのが良いんすよね。リンクレイターの『ビフォア〜』シリーズは、観た奴が「男とは/女とは」みたいなクソつまんないジェンダー論(めいたもの)を語り出しそうな雰囲気があるけど、ジュリー・デルピーの監督作〜『トップ・ファイブ』はもっと個人的な話に収まっているのが素敵だと思う。「自分の好きなラッパー・ベスト5」なんて(男も女も関係ない)個人的な話の最たるものでしょ。『トップ・ファイブ』にはサンチャマも出てるよ!
しかし、こうやって考えてみると、おいらは『ビフォア・ミッドナイト』が(良く出来ている映画であることは認めるけど)マジで嫌いなんだな。だいたい「妻にもっと敬意を払え」「妻にもっと協力しろ」って話が劇中に何度も出てくる「夫婦」の映画なのに、ビリング・トップはイーサン・ホークでジュリー・デルピーはあくまでも2番手って、劇場でエンドクレジットを見て本当にガッカリしたもの。リンクレイターとイーサン・ホークに対して「やっぱりお前らは何も分かっちゃいねえ!」ってブン殴りたくなったよ。
それにしても、『ビフォア・ミッドナイト』のラスト・シーンは思い出すだに本当に気持ち悪い。全然関係ないけど、ラストで夫が家事を始めるルーカス・ムーディソンの『エヴァとステファンとすてきな家族』のような真っ当さの方がおいらは好きだな。