『アナザー プラネット』も『ザ・イースト』も、ブリット・マーリングが脚本&主演を務めた作品はどれも「道を踏み外した人々」の物語だ。『ザ・イースト』でいえば、企業の人間もザ・イーストの人間も「道を踏み外している」ということでは同じである。そして、企業の人間が道を踏み外したからこそザ・イーストの人間も道を踏み外したのであり、彼等は相関関係にある。『アナザー プラネット』でいえば、ブリット・マーリングが道を踏み外して交通事故を起こしたからこそ、ウィリアム・メイポーザーも道を踏み外すことになったのである。相関関係にあるということは、「負の連鎖」も繋がっていくということであって、『ザ・イースト』では「目には目を、歯には歯を」というテロ行為が行われることになる。そして、どちらの作品でもブリット・マーリングは自分の身分を偽って「潜入」していく。
で、まあブリット・マーリングはその負の側面としての相関関係からどうやって抜け出していくのか、ということに毎回真正面から誠実に向き合っていると思うのです。『Sound Of My Voice』的に言えば「It's not my choice, It's yours」。そう、全てはあなたの選択にかかっているのである。『アナザー プラネット』でいえば、あのチケットをどうするのか、ということや、それを受けてのウィリアム・メイポーザーの行動、『ザ・イースト』でいえばブリット・マーリングの最後の選択はもちろんだけど、エレン・ペイジの父親の選択だって、あれはあれで負の連鎖を断ち切る為の「Leap Of Faith」だ*1。そこにしか希望はないと思う。その誠実な姿勢は支持していきたい。