映画『Jack And Diane』(監督:ブラッドリー・ラスト・グレイ)観賞。★★★。
ゾーイ・カザンの魅力全開だった『The Exploding Girl』に続くブラッドリー・ラスト・グレイの新作は傑作『禁じられた10代』のジュノー・テンプル主演。しかもタイトルはジョン・メレンキャンプの同名曲へのオマージュ、さらにはカイリー・ミノーグまで出演しているとくるんだから、おいら的には絶対に見逃すわけにはいかないのだった。
「友情以上、恋愛未満」の微妙な感情を描いていた『The Exploding Girl』に対して、本作で描かれている感情はズバリ「愛」。だが、愛は時に狂気となることだってある。そんな愛という名の「モンスター」が本物のモンスターとなって登場し…って青臭いなあ。そしてラストではフライング・ピケッツ版の「Only You」が流れ、心に深い余韻を残す…ってそれはウォン・カーウァイの『天使の涙』のパクリだろ! というわけで、前作に比べるとブラッドリー・ラスト・グレイの自己相対化できていない部分が目立ってしまっている印象。とはいえ、(ラストも含めて)要所要所の甘酸っぱさには抗しがたい魅力があるのは確かだし、レズビアン&ゲイ映画祭で上映したら絶対に受ける内容なんで、グレッグ・アラキの『Kaboom』に続いてふたたびジュノー・テンプルの姿を青山スパイラルホールのスクリーンで拝みたいところっすね。
ちなみにジュノー・テンプルはジュリアン・テンプルの娘で、ジャックを演じているライリー・キーオはエルヴィス・プレスリーの孫娘。ブラッドリー・ラスト・グレイは高橋留美子の大ファンでもあるそうです。スコアはアイスランドのムームが担当。