映画『ピンチ・シッター』(監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン)観賞。★★★★。
『秘密のラジオ・ガール』が『今夜はトーク・ハード』の勝手リメイクだったように、こちらは『ベビーシッター・アドベンチャー』の勝手リメイク。てっきりオリジナルをそのまんまトレースした稚気あふれるアクション・コメディになっているのかと思っていたら、オリジナルとはまったく違う、滋味あふれる人情コメディの秀作に仕上がっていたのだから驚いた。主要な登場人物全員がはみ出し者という作りは、デヴィッド・ゴードン・グリーンのインディーズ時代の傑作(&ズーイー・デシャネルの出世作でもある)『All The Real Girls』に近いともいえる。つまりデヴィッド・ゴードン・グリーンのメジャー進出後の作品では一番の出来ということ。しかもエンディング・テーマはビズ・マーキーの名曲「Just A Friend」(!)。「Unloved」な登場人物たちのキャラクターも相まって泣けてきましたよ、マジで。
まあ、ファミリー向け映画のようでありながらセックス/ドラッグ/F-Wordが満載なので(なにしろジョナ・ヒルのクンニ・シーンが映画のオープニングなのだ)、いったい誰に向けて作っているんだという疑問がないわけではないんだが…(って、それはもちろん、こういうブログを読んでいる人の為に作られているのだ)。