The Temper Trap/The Temper Trap
★★★
映画『(500)日のサマー』効果もあって「Sweet Disposition」がヒットしたテンパー・トラップ。あの曲では美しいファルセット・ヴォイスがフィーチャーされていたこともあってコールドプレイと比較されたりもしていたが、むしろ彼等の本来の資質を示していたのはU2のエッジばりのディレイ・ギターの方だろう。2009年の来日公演を観た人ならばご存じの通り、実は彼等は初期U2直系の熱血漢バンドなのだった。
というわけで、ダギー・マンダギのマリエとの破局を乗り越えて発表された本作は、そんな彼等の本来の資質がズル剥けになった熱いロック・アルバムとなった。先行シングル「Need Your Love」のPVはモロに『ベスト・キッド』(84年のオリジナル版の方)が元ネタだしな。さらにスケール感を増したバンド・アンサンブル、エレクトロニック・ポップのエッセンスを積極的に導入したサウンド*1は、U2でいえば『Achtung Baby』の段階まで一気にステップアップした感も。この内容なら、日本ではどうか知らんけど、欧米では確実に受けるはず。このまま行けるところまで行っちゃってくだされ。全12曲47分。
↑中曽根康弘みたいなミヤギさんだな。
↑そういえば、おいらの2010年の映画ベスト10にも入れた『トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら』(ついに日本でもDVD化されました!)では彼等の「Fader」がフィーチャーされていたのだった。
*1:ジョセフ・グリアがキーボディストとして正式加入した影響もあるのかもしれない。