★★★
映画『(500)日のサマー』を好きな人の大半が購入したと思われるリンゴ・スターの新作アルバム。カヴァー2曲&リメイク2曲込みで全9曲29分という、メーガン・ワシントンならEP扱いにするであろう内実ながらも、「コレはアルバムというか年賀状『今年もよろしく』ってな感じ」とか「出す事に意義があります」といったAmazonのカスタマーレビューを読めば分かるように、(おいらも含めて)リンゴのアルバムを聴き続けている人はボケた父親を見守る娘/息子のような境地に達しているので全く問題なし。つまり「Anthem」における「Glass Onion」の引用や、「Wings」や「Step Lightly」のリメイクは、「おじいちゃんがまた戦争の話を!?」とか「おじいちゃんが今日3度目の朝食を!?」といった感じで考えておけばOKなのだった*1。というわけで結論としては「おじいちゃん、いつまでも長生きしてね」ってことだな。
それにしてもデイヴ・スチュワートはリヴァプール絡みの曲を提供しなければいけないという契約でも結ばされているんだろうか。『Liverpool 8』のタイトル曲、『Y Not』での「The Other Side Of Liverpool」、そして本作での「In Liverpool」と、これでアルバム3枚連続の貢献。まあ、リヴァプール絡みのオリジナル曲を作り続けるのもつらいだろうから、次は(ポール・マッカートニーの弟であるマイク・マクギアがメンバーだった)スキャッフォルドの「Liverpool Lou」をカヴァーしてもらうってのはどうだい?
*1:『(500)日のサマー』にフィーチャーされたことでもお馴染みの『バラの香りを』では「Back off Boogaloo」をリメイクしていたし。ちなみに『バラの香りを』のヴァージョンは(ズーイー・デシャネルも大好きな)ハリー・ニルソンがプロデュースしているので、彼の「You Can't Do That」のようにパロディ盛り沢山な作り。