スパジーズ『Dumb Is Forever』のアマゾンのカスタマー・レビューが面白かったので転載しておく。
もう活動してないのかと軽く思ってましたよ
Dumb Is Forever
聴いてみての第一印象として、
悪い意味で丸くなってしまった2nd。1stを知ってる人からすれば一曲目のイントロから
「あれ、違うアーティストのCD間違えて買っちゃったかな?」
ってレベル。パンクじゃない。
ギターソロなんてそんなたくさんいらないし、そんなにギターを重ねないでもいいんだよ!
あとなんで3つ以外の楽器の音が聴こえるんだー?!
あの尖ったギターの音はどこへ行ってしまったのでしょうか。”The Spazzys”として興味そそられる曲は”Divorce”のリレコーディング(っていうのかな?)である11曲目の”I Want A Divorce”くらいしかないですね。
パンクっぽい勢いのある曲はこれくらいではないのでしょうか。大ヒットシングルPaco Doesn't Love Meでガンガンでていたラモーンズ愛も、Dumb Is Foreverでは感じられません。
公式のセールスにも
「単なる“RAMONES大好きっ娘”では終わらない!!」
と書いてあるので、前作でついたイメージを払拭しようとしてるんでしょうか。
残念です。三人での綺麗なコーラスは健在だし、曲のクオリティ自体は良いのでアルバムとしては悪くはないと思いますが、
Spazzysの1stが好きな人にはあまりオススメしません。
ラモーンズ純粋主義者って恐ろしいわー。「なんで3つ以外の楽器の音が聴こえるんだー?! 」ってギター/ベース/ドラム以外は使っちゃ駄目なんかい。いやー、だってこれってボブ・ディランがエレキギターを使い出したら途端に酷評したフォーク純粋主義者の人達と言ってることが大差ないんだもの。しかもそのラモーンズがディランのフォーク・シンガーの時代の「My Back Pages」を思いっきり電気化してカヴァーしているんだから何をか言わんや。文化を体系的に知っておくとこういう時に物事の本質が見えてくるから楽しいよ。鋭く本質とらえる目。若いうちだぜ養っとけ。歴史は繰り返す。
歴史の繰り返しから物事の本質が見えてくるということで言えば、たとえば白人に搾取され続けてきた黒人音楽の苦難の歴史を踏まえた上での黒人の最後&最大の砦として成功しているのが今のアメリカのヒップホップであり、英国ポップ・ミュージックの失敗の歴史を踏まえた上で、その間違いを一つ一つ正していって成功しているのが再結成後のテイク・ザットだったりするわけだ。
で、そんなスパジーズにベーシストとして一時参加したこともあるケイト・ゴールビーが在籍しているウェリントンズの来日公演がいよいよ来週から始まりますよー。
↑11月に行われるマフスの来日公演とも併せて、ウェリントンズがマフスのキムに捧げた「Song For Kim」と、そのPVの元ネタになったマフス「Sad Tomorrow」のPVを並べて貼っておく。