『Ray Davies - Imaginary Man』(監督:ジュリアン・テンプル)観賞。★★。
レイ・デイヴィスのソロ・アルバム『See My Friends』の発売に併せて昨年末にBBCで放送されたTVドキュメンタリー。同作に収録されているキンクスの名曲群について解説が加えられていくというスタイルなんだが、レイ・デイヴィス以外の人物のインタビューをほとんど採っていないので、それらの魅力が立体的に浮かび上がるということもなく退屈。たとえばテイク・ザットの『Look Back, Don't Stare』のように、音楽を通じて人々がつながっていく作りにした方が絶対に面白いし、それが音楽の魅力を伝えることにもなると思うんだが*1。だからレイ・デイヴィスに向かって「(“You Really Got Me”のリフを口ずさみながら)あんなリフどうやって思いついたんだよーーー!」とエネルギッシュかつバカ丸出しで喋りまくるブルース・スプリングスティーンの登場シーンこそが本作の白眉。やっぱりズーイー・デシャネルやポール・ウェラーやスティングやブライアン・ウィルソンやロビン・ヒッチコックがキンクスの魅力について語りまくっているという『Do It Again』が観たくなるってわけですよ!
*1:たとえばラモーンズの『END OF THE CENTURY』は、プライベートでは一言も喋らないほどの確執のあった連中が音楽のみを通してつながっていた、という話になっていたから面白かったわけで。