先日のオフ会で改めて認識したけど、現在のアメリカにおける最良の青春映画作家はやはりライアン・フレック&アンナ・ボーデンのコンビだな。『Half Nelson』、『Sugar』、『It's Kind Of A Funny Story』と3作全てが傑作だし(なのに1本も日本公開されていないのが勿体ない)。おいらにとってのブロークン・ソーシャル・シーンは、オリジナル・アルバムよりもライアン・フレック&アンナ・ボーデン映画での印象の方が強かったりする(『Half Nelson』と『It's Kind Of A Funny Story』のスコアを担当しているのだ)。
最新作の『It's Kind Of A Funny Story』は、精神病院に入院した希死念慮を持つ少年が、生きる力/生きる喜びを見つけるまでのお話。『マイ・ファースト・ミスター』でも『ショー・ミー・ラヴ』でもそうだけど、こういう系の話がほんとに好きやね>自分。モノローグの多用は失敗すると大惨事になりかねないが、本作の主人公は自意識過剰をこじらせたせいで頭がおかしくなっているわけで、その表現方法として合致しているが故にうまく機能している。そして、主演のキーア・ギルクリストが、変にカリカチュアされていたり、必要以上に美形だったりせずに、普通にさえない少年なのがとにかく素晴らしい。このリアリティだけでも観る価値があると断言したい。『ハングオーバー!』『デュー・デート』のザック・ガリフィアナキスも出演しているし、なんとか日本公開できないもんかねえ。エンディングのコモン「Be」〜ブロークン・ソーシャル・シーン「Major Label Debut (Fast)」というコンボにシビれまくってもらいたいぜ。
(2012年2月20日追記:『It’s Kind Of A Funny Story』が『イッツ・カインド・オブ・ア・ファニー・ストーリー』という邦題で、日本でも配信スルーでリリースされました!)