映画『Urgh! A Music War』(監督:デレク・バービッジ)観賞。★★★★★。
こんなに貴重かつ重要な音楽ドキュメンタリーがようやくDVD化されたっていうのに、どうして日本では全くといっていいほど話題にならなかったんだ!? 本作はアメリカとイギリスのパンク/ニューウェイヴ系アーティスト34組のライヴ映像をこれでもかと詰め込んだ英国映画で、その収録アーティストの多さゆえに権利関係があまりにも複雑なため、当初発売されていたVHSは廃版で入手困難、一時期はDVD化も不可能と囁かれていたぐらいの幻の作品だったのである。
詳しい曲目はこちらで見てもらうとして、とりあえず自分が興味のあるアーティストが1つでも入っていたら絶対に観て損はないと断言しますぜ。どの曲もきちんと完奏ヴァージョンで収録されているので、その資料的な価値の高さは抜群。おいらはゴーゴーズやX辺りを目当てに購入したんだが、スクイーズ脱退直後ですでに現在と同じようなポジションになっているジュールズ・ホランド、アンディ・パートリッジが客を煽りまくるXTC、何をしたいんだかよく分からないゲイリー・ニューマンなども強く印象に残った。マイケル・スタイプ(R.E.M.)の「World Leader Pretend」におけるパフォーマンスが、ギャング・オブ・フォーのそれのパクリであることなんて本作を観て初めて知ったっすわ。ポリスの「So Lonley」でスティングとアンディ・パートリッジ(ヒュー・パジャムつながり)がデュエットするなんてシーンもある。その他にも見どころは多数。つまり、これはパンク/ニューウェイヴ版『ザッツ・エンタテインメント』なのだ!