Scouting For Girls/Everybody Wants to Be on TV
★★★
前作『Scouting For Girls』は評論家からさんざんバカにされながらも大ヒット、さらには名曲「She's So Lovely」が映画『ジョージアの日記』で大フィーチャーされるなどしてロングセラーとなった。そしてこの2ndアルバムである。一旦は完成していた新作用の楽曲群をご破算にして改めて作り直したというだけあって、どの曲からも「もう誰にもバカとは言わせないぞ」という気合は強く感じられる。先行シングル「This Ain't A Love Song」からしてキーンを彷彿とさせるスケールの大きなバラード・ナンバーだし。
でも、「Little Miss Naughty」の旬を逃したオートチューン使いはどうしようもなくダサいし、実質的なアルバム・タイトル・ソングである「Famous」はどこまでもチージーなディスコ・チューンだしで、微妙に気合の入れ方が間違っているような…。つまり彼等の大きなチャームポイントであるいなたさは不変ってこと。ジャム「Down In The Tube Station At Midnight」のモロパクな「Posh Girls」なんて曲もあったりして、スカウティング・フォー・ガールズに本格派な音楽なんて求めていない人(=おいら)でも大いに楽しめる仕上がり。彼等は21世紀のフレディ&ザ・ドリーマーズだ! 全10曲33分。