Bowling For Soup/Merry Flippin' Christmas (Volume 1)
★★★
ライナス・オブ・ハリウッドをプロデューサーに迎えた『Sorry for Partyin'』をこの間リリースしたばかりだと思っていたら、早くも新作のクリスマス・カヴァー・アルバムが届いてしまったぜ。
とりあえずオープニング曲がキンクスの「Father Christmas」のカヴァーってだけで全てOK! あとはラモーンズの「Merry Christmas (I Don't Wanna Fight Tonight)」なんかで自分達のルーツをきちんと表明しつつ、マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」をやったりもしてチャラい感じを適度に出してくるところにこの人達のバランス感覚の良さが顕著に表れているといえよう。ジャレット・リディックと共にクラッピー・レコーズ(MC・ラーズ! レフトオーヴァーズ!)を設立したライナス・オブ・ハリウッド繋がりで、MR. BIGのポール・ギルバートがゲスト参加しているのも嬉しい。全9曲25分。
↑でもまあ、「Merry Christmas (I Don't Wanna Fight)」のカヴァーで最高なのはどう考えてもヘレン・ラヴのヴァージョンだよな。イントロからしてアタリ・ティーンエイジ・ライオットの「Deutschland Has Gotta Die! (Remix)」のサンプリングにベイ・シティ・ローラーズの「Saturday Night」が被さるという豪快さだし、その後もアンダートーンズの「Teenage Kicks」やアバの「Super Trouper」がモロ使いされるなど、著作権を屁とも思っていない姿勢が実にパンクで、ラモーンズのオリジナルを完全に超えちゃってるもん。