Foxboro Hot Tubs/Stop Drop and Roll!!!
★★★★★
グリーン・デイの覆面プロジェクト。つまりはXTCにおけるデュークス・オブ・ストラスフィアみたいなもんですな。
「She's A Saint Not A Celebrity」がまんま「Summertime Blues」(オリジナルはエディ・コクランだけど、グリーン・デイの連中は明らかにフーのヴァージョンを下敷きにしてますな)だったり、「Sally」がクエスチョン・マーク&ザ・ミステリアンズの「Can't Get Enough Of You Baby」(オリジナルはトイズ。スマッシュ・マウスがカヴァーしていたことでお馴染み)だったりと、彼等の60年代愛がのびのびと全開になっているのがとにかく楽しすぎる。コンセプト先行で頭でっかちだった『American Idiot』よりも、彼等の最高傑作である『Warning』に近い、軽みに満ちた作り。
それにしても、グリーン・デイ本体の方で「Tired Of Waiting For You」をカヴァーし、「Warning」で「Picture Book」のリフをパクっただけでは飽き足らなかったのか、本作でもキンクスをパクリまくり! 「Red Tide」は完全に「Tired Of Waiting For You」だし(またかよ!)、「Alligator」は「I Need You」だし、「Broadway」のギター・ソロはデイヴ・デイヴィス風だしさあ(そういう意味ではマフスの「Ethyl My Love」に通じるものもある)。あー、やっぱりグリーン・デイの音楽性を解き明かしていく鍵はキンクスなのか、と。全12曲32分。