映画『ボーン・アルティメイタム』(監督:ポール・グリーングラス)観賞。★★★★★。
大傑作。2007年で最も重要な映画の一つ。(前作『ボーン・スプレマシー』に続き)映画史にその名を残すであろうアクション映画の大傑作がリアルタイムでロードショー公開されているんだから(しかも大ヒット)、これを見逃しているような映画ファンは信頼するに値しないと断言しよう。それこそ70年代に『フレンチ・コネクション』『フレンチ・コネクション2』を見逃すようなもんだってば。
『ブラディ・サンデー』を観れば明らかなように、ポール・グリーングラスという人は、たとえばケン・ローチなどと政治的な立場を同じくするリベラルの英国人監督であり、本作にも反グローバリズムのメッセージが(密やかにではあるが)しっかりと刻み込まれているのであった。そんな彼の一貫性は、『ボーン・スプレマシー』で『リリア 4-ever』の主演女優であるオクサナ・アキンシナを、本作に於いてはジョン・セイルズ組のデヴィッド・ストラザーンを、それぞれ重要な役まわりで起用しているところに顕著に表れている(デヴィッド・ストラザーンの起用は、第一作の『ボーン・アイデンティティー』に同じくジョン・セイルズ組のクリス・クーパーが出演していたことへ対しての目配せでもある)。
モービーが歌う主題歌「Extreme Ways」がシリーズを追うに従ってゴージャスなアレンジになっているのには笑った。