2026年1月18日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.33」を開催します。今回はロマンティック・コメディ2本立てということで、名作『KiSSingジェシカ』のジェニファー・ウェストフェルトが手掛けた変則育児コメディ『フレンズ・ウィズ・キッズ』と、ブラッド・アンダーソンの最高傑作『ハッピー・アクシデント』を上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です

過去に開催したサム・フリークスの一覧はこちらです


マフスのキム・シャタックの追悼記事をローリングストーン ジャパンに執筆しましたマフスのキャリアを一望できるプレイリストも作ってみました。

ローリングストーン ジャパンでリンダ・リンダズにインタビューしました。アルバム『Growing Up』発表時SUMMER SONIC 2022での来日時2024年の来日時です。

ローリングストーン ジャパンでシグリッドにインタビューしました。2023年5月の初来日時超傑作の3rdアルバムのリリース時です。


メアリー・ルー・ロードの「Lights Are Changing」のオリジナルなどで知られるべヴィス・フロンドのポップな楽曲のみを集めたベスト・アルバム的プレイリスト『Pop Essentials of The Bevis Frond』を作成しました。

サム・フリークスの場内BGMのプレイリストを作成しました。毎回上映作品と絡めた選曲をしています(最新のものに随時更新していきます)。


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない


Primal Scream/Riot City Blues


★★★


プライマル・スクリームの8thアルバム。世評通り、(「Jailbird」と「Rocks」を除くとあとはタルいバラードばかりだった)Give Out But Don't Give Up』の雪辱盤といった感じの内容。アコースティック楽器の鳴りが気持ち良いやね。


プライマル・スクリームというバンド(もしくはボビー・ギレスピー)が、その時のモードに合わせて、コスプレ的な感覚で様々なサウンドを取り込んでいく完全な「偽物」であるというのは衆目の一致するところであると思う。いや、偽物であるのは別に構わないのだ。彼等の不幸は、何を着ても全く似合わないが故にひたすら「うた」に向き合わざるを得なかったジーザス&メリー・チェインなんかと違って、何を着てもそこそこ似合ってしまうところにある。だから、彼等はジザメリが『Stoned & Dethroned』でたどり着いたような境地には永遠に到達することができないのだ。そういう意味でも、どんなモードにするか決めかねていた、徹底的に中途半端な『Vanishing Pointこそが、彼等の本質が最もよく表れた最高傑作だと思うんだが。


というわけで、本作はきまりの良さも含めてあまりに90年代的な佳作である。90年代から脱しきれないプチジジイとプチババアにお勧め。というか、これがOKならばブルース・スプリングスティーンの最新作だってOKなはずだよな。あと、全10曲で41分はちょっと長い。だっておいらは全12曲で36分という完璧なロックンロール・アルバム『Convicts』(by ユー・アム・アイ)をすでに聴いてしまっているのだから。