John Doe/Forever Hasn't Happened Yet
★★★★★
Xのべーシストであるジョン・ドーの5thソロ・アルバム。カントリー/フォーク寄りの地味渋ロックであるのは以前と変わりないんだが、今回は気合の入り方が違う。オープニング曲の「The Losing Kind」からして、Xの名盤『See How We Are』を手掛けたデイヴ・アルヴィンと久しぶりの邂逅を果たしているし、以降の曲でもXのドラマーであるD.J.ボーンブレイクがヴィブラフォンを叩いていたり、Xでのパートナーであるエクシーンとの久しぶりの共作曲「Hwy 5」があったり、少なくとも再結成したXの唯一のオリジナル・アルバムである『Hey Zeus!』の100倍は「Xらしさ」に溢れている。
エイミー・マンやジェーン・ウィードリン、ジュリアナ・ハットフィールド等が参加した前作の路線を引き継ぎ、デュエット曲が多いのもいい感じ。今作ではニーコ・ケイスやクリスティン・ハーシュ等が参加。やっぱりこの人の声は女性ボーカルとのデュエットになると一層映えますな。白眉は彼の娘であるヴェロニカ・ジェーンとのデュエット「Mama Don't」でしょう。
今年に入って、1986年に製作されたXのドキュメンタリー映画『X: The Unheard Music』がDVDとして再発されたり、Xのデビュー25周年を記念したライブDVD『Live In Los Angeles』が発売されたりと、俄かに活気付いているX周辺をさらに盛り上げてくれる快作。しかも全11曲31分という潔さだ! そして極めつけとして、7月12日にはニッターズの再結成アルバムが出るぞ(!!!!!!!!)。