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「キンクスやクラッシュから影響を受けた」って、それって要約すれば「キンクスから強い影響を受けた」ってことじゃん!というフォスター・ザ・ピープルの2ndアルバム(「London Calling」がモロに「Dead End Street」だったり、「I'm Not Down」が「Waterloo Sunset」だったり、「Should I Stay Or Should I Go」が「Till The End Of The Day」だったりすることからも分かるように、クラッシュもキンクスから強い影響を受けているので)。
実際にオープニング曲の「Are You What You Want To Be?」は「Rock The Casbah」みたいだし、先行シングル「Coming Of Age」はアリスタ時代のキンクスみたいだしで、前作に比べるとダンス・ポップ色が大幅に後退してギター・ロック寄りになった濃厚にキンキーな仕上がり。マーク・フォスターの鼻にかかった歌声はレイ・デイヴィスに似ているしね。前作における「Pumped Up Kicks」のような飛び抜けた名曲がない代わりに、アルバム全体のソングライティングのクオリティが大幅に向上しているので、たとえばキンクスの『Misfits』なんかが好きな人にバチグンのお勧め。「Nevermind」が00年代前半のエイミー・マン風なサウンドだったりするのも嬉しいねえ。ポップ・ミュージックの強さを信じている人達だからこそ鳴らせるタフな音楽。全11曲48分。