★★★
テイク・ザット〜スパイス・ガールズ以降では最良のUKアイドル・グループだったシュガーベイブスの中で、最も変な顔だった(それ故においらは好きだった)ムーチャ・ブエナが初のソロ・アルバムをリリース。
後年になって振り返ってみると、彼女達の最高傑作は『Angels With Dirty Faces』(『汚れた顔の天使』!)、ベスト・シングルは「Hole In The Head」(アコースティック・ギターのコード・カッティングをバイオリン奏法風に処理して裏打ちリズムを強調するというアイデアが秀逸!)だったということになるだろう。
ムーチャ離脱後の新生シュガーベイブスは「Walk This Way」の完コピ・シングルで脱力させてくれたが、彼女の方はシュガーベイブス全盛期のポップネスを見事に継承したアルバムを届けてくれた。レニー・クラヴィッツ「It Ain't Over 'Till It's Over」ネタのアルバム・タイトル曲、グルーヴ・アルマダとの共作「Song 4 Mutya」(アート・リンゼイ「Let's Be Adult」ネタ!)、ロネッツ「Be My Baby」をヒップホップ・ソウル風にアレンジした「B Boy Baby」(エイミー・ワインハウスが参加!)、ジョージ・マイケルとの共演曲「This Is Not (Real Love)」など、大ネタ&聴き所多数。
グループ時代に比べてタルいバラード・ナンバーが増えているのはやや辛いものの(ありがち)、ソウル・ミュージック寄りの新しい方向性を打ち出そうとした意欲は買う。あの変な顔も相変わらず健在だし、英国音楽シーンの最前線でアジア系女子が頑張っているのを見るのは悪い気がしないもんだぜ。全12曲46分。
B*witched - Jesse Hold on
そんなUKアイドル・グループで忘れてはならないのが、第2のスパイス・ガールズに成り損ねたB★WITCHED。日本だと映画『チアーズ!』に使用されたトニー・バジルのカヴァー「Mickey」が有名だけど、この人達はオリジナル曲が本当に凄いんだよな。「C'est La Vie」「Roller Coaster」「Jesse Hold On」の代表曲三連発はどれも名曲すぎる。なぜかカントリー風のアレンジがたびたび顔を出すのも最高。特に「Jesse Hold On」は英国アイドル史を代表するポップ・ソングの一つだと今でも思ってるぜ!