映画『バタード・バスタード・ベースボール』(監督:チャップマン・ウェイ&マクレーン・ウェイ)観賞。★★★★★。
原題の『The Battered Bastards Of Baseball』は「野球界のズタボロの私生児達」の意。カート・ラッセルの父親のビング・ラッセルが70年代に設立し、わずか5年で消滅したマイナーリーグの野球チーム、ポートランド・マーヴェリクスの軌跡を追ったドキュメンタリー。
通常、マイナーリーグはメジャーリーグの為の人材育成リーグとしての側面が強いのだが、マーヴェリクスはメジャーリーグのチームとの繋がりを持たない独立球団。資金に乏しい彼等のもとに集まったのは、様々な理由で野球界から拒絶され、挫折を経験してきた人達ばかり。「この球団でなら、自分も野球をすることができるから」。そんな理由で集まってきた「球界のはみ出し者」を積極的に受け入れたポートランド・マーヴェリクスは初戦から誰もが驚く強さを発揮し、快進撃を続けるが…。
これは『Good Vibrations』にも通じる反骨の映画だ。ここで描かれている「多様性の肯定」こそ、いつの時代においても世界に必要なものだと思う。そして、大切なのは楽しむことを忘れない心。こういう人の息子として育ったら、そりゃあカート・ラッセルはああいう人になって当然だわな(カートの野球選手時代の姿も見ることができる)。Netflixには優れたドキュメンタリーがマジで多いなあ。