リアル・エステイトの新作『Daniel』は本人達曰くR.E.M.の『Automatic For The People』から影響を受けたという話だが、ギター・バンドとしての体裁を保っていて比較的明るいトーンの楽曲が多いこともあって、むしろ音楽的には『Out Of Time』の方に近い作品だと思う(『Automatic For The People』はジョン・ポール・ジョーンズによるオーケストラのアレンジメントが重要な要素を占めているアルバムでもあるので)。とにもかくにもR.E.M.再評価の波は継続中。
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マギー・ロジャースは以前からライヴで「Harvest Moon」なんかをカヴァーしている人ではあったけれど、4月にリリース予定の新作のタイトル曲「Don't Forget Me」はめちゃくちゃニール・ヤング風だな。それこそ『Harvest』に収録にされていても不思議ではないフォーキーなナンバー。
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サマーソニック2024の第1弾アーティストにラッパーが1人もいないところからもラップ/ヒップホップ業界のシュリンクが見て取れる。2015~2018年にラップ/ヒップホップがピークに到達してから漸減を続けているのがそろそろ可視化されてきた感じ(全体の売り上げ低下の影響が現場に下りてくるまでには時差がある)。たとえば『フリースタイルダンジョン』なんかはその上昇気流に上手く乗ったわけだけど、その後継番組の『フリースタイルティーチャー』や『フリースタイル日本統一』が『フリースタイルダンジョン』のような世間への広がりを生んでいないことなんかにも端的に表れているかと(それが悪いわけではないが)。
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無粋な話になるけれども、2021年のNAMIMONOGATARIでの騒動(&横浜アリーナ公演の中止)以降、BAD HOPに対する世間の評価と注目度は下がっていたように思うし、そもそもラップ音楽全体の売り上げがここ5年ほどで半分以下になっている現状(肌感覚として、コロナ禍で音楽シーンの潮目が完全に変わった感がある)を考えると、今以上にBAD HOPが伸びる余地もなかったと思うので、ここで東京ドーム公演という打ち上げ花火を上げて有終の美を飾ったのは最良の選択だった気がする。
Rap music has seen a 27% 𝗗𝗘𝗖𝗥𝗘𝗔𝗦𝗘 in sales in 2023, compared to last year, and a 62% decrease in the 5 years since 2018 😳📉
— Hip Hop All Day (@HipHopAllDayy) 2023年11月16日
Can anything be done to revert this decline? pic.twitter.com/POaE3iNc48
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ライム・ガーデンのデビュー・アルバム『One More Thing』を聴いていて、「Mother」がモロにトーキング・ヘッズの「Once In A Lifetime」だったのでもしやと思っていたら、やはりメンバー全員がトーキング・ヘッズのファンだそうです。