2021年10月24日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.15」を開催します。今回は映画史から黙殺されたフェミニスト西部劇の傑作『サウザンド・ピーシズ・オブ・ゴールド』と、ニール・ジョーダンの最高傑作の一つ『ブッチャー・ボーイ』の2本立てです。前売チケットはPeatixで販売中です


2021年12月26日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.16」を開催します。今回は『ユニークライフ』の完結を記念して、ジェニファー・ジェイソン・リーの代表作である『カンザス・シティ』と『ブルックリン最終出口』を2本立てで上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です


2022年3月21日(月・祝)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.17」を開催します。今回は『グレゴリーズ・ガール』と『シルビーの帰郷』を上映した「サム・フリークス Vol.14 」に続いて、再びビル・フォーサイスの監督作を2本立てでお届け。彼の長編映画監督デビュー作『ザット・シンキング・フィーリング』と名作『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』を上映いたします。前売チケットはPeatixで販売中です


マフスのキム・シャタックの追悼記事をローリングストーン ジャパンに執筆しました


メアリー・ルー・ロードの「Lights Are Changing」のオリジナルなどで知られるべヴィス・フロンドのポップな楽曲のみを集めたベスト・アルバム的プレイリスト『Pop Essentials of The Bevis Frond』を作成しました。


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない

特集上映:サム・フリークス Vol.14

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7月24日追記:緊急事態宣言が8月22日まで発令中ですが、「サム・フリークス Vol.14」は当初の予定通り8月7日に開催いたします。なお、座席を間引いての開催となり、ご入場は前売り券をご購入された方のみとします(当日券は販売いたしません)。また、当日は感染症予防対策にご協力お願いします。

特集上映イベント「サム・フリークス」の第14回! 今回は1月に予告した通りに、ビル・フォーサイスの監督作を2本立てでお届け。1本目はスコットランドを舞台とした英国青春映画のマスターピース『グレゴリーズ・ガール』、2本目はアメリカ文学の名作『ハウスキーピング』を映画化した『シルビーの帰郷』を上映いたします。

どちらもこれを逃すとなかなか劇場では観ることができないであろう貴重な作品ですので、この機会にぜひー。今回も有料入場者1名につき250円が虐待を受けたり貧困下にある子供達への学習支援&自立支援として役立てられます!

10月24日(日)には同会場でこのイベントの第15弾が、12月26日(日)にはイベントの第16弾が開催されます! こちらもぜひ!


概要:

1)日時:2021年8月7日(土)


2)会場:ユーロライブ(渋谷)

タイムテーブル

13:00~ 当日券販売開始
13:10~ 開場
13:25~『グレゴリーズ・ガール』上映
14:57~ 休憩
15:10~『シルビーの帰郷』上映(17:06上映終了予定)

3)当日券料金:2本立て1500円(入れ替えなし・整理番号制)

※当日券は当日の13時00分より会場受付にて販売いたします。

※前売り券は特別価格1374(悲惨な死)円でPeatixにて販売中です

本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、当ブログにおいて寄付の実施をご報告いたします。

お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。

また、未成年の方は当日会場にて500円返金します!性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1374円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。

お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。

こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。

※前売り券について※

開場は13時10分です。整理券等への引き換えの必要はございませんので、劇場への入場時にPeatixのチケット画面、もしくは予め印刷したものを係員にご提示お願いします。入場順序に関しては、前売り券→当日券の整理番号順となります。場内は全席自由席となっております。入金後のキャンセルは承りかねますのでご了承ください。

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『グレゴリーズ・ガール』本国公開40周年記念! 「サム・フリークス Vol.14」はビル・フォーサイス2本立て!

『グレゴリーズ・ガール』は英国映画協会選出による歴代英国映画ベスト100でも30位にランクインした青春恋愛映画。古臭いエロコメのような冒頭から、あれよあれよと『野球少女』や『ベッカムに恋して』のような展開へ膨らんでいく、青春という「不定形」な時期を活き活きと描き出した傑作である。主人公が自分の部屋にラッシュとジャニス・イアンヒートウェイヴとジャムとスペシャルズパティ・スミスのポスターを貼っていて、プログレシンガー・ソングライターとディスコとパンクを分け隔てなく聴いている1980年の英国の音楽好き高校生のリアルな感じが出ているところからも、この作品がいかに素晴らしいかが分かるはず。同じく1980年を舞台にしている『フリークス学園』でのジェイソン・シーゲルのキャラクターがラッシュ好きのドラマーという設定になっているのは、本作からの影響も大きいと思われる。すっとぼけた楽しいギャグの数々は後の『アイスクリーム・コネクション』にも繋がっていく。ちなみに、本作でスーザンを演じたクレア・グローガンは後にオルタード・イメージのヴォーカリストとしても活躍。

そして、ビル・フォーサイスがカナダに渡って撮影した『シルビーの帰郷』は、はみ出し者映画の最高峰ともいえる1本だ。原作の『ハウスキーピング』はオバマ元大統領の愛読書としても知られるアメリカ文学の名作で、世間と同調することができない主人公をクリスティーン・ラーチが見事な存在感を放ちながら演じている。この映画によってクリスティーン・ラーチの映画人としての方向性が決定付けられ、後に彼女は本作の意志を引き継ぐかのように映画監督として『マイ・ファースト・ミスター』(サム・フリークスの前身イベントである「アメリカ映画が描く『真摯な痛み』Vol.2」でも上映した大傑作!)を撮るのだった。


岡俊彦(東京都品川区南品川3-5-2-503在住)
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現代の観客にとって、『グレゴリーズ・ガール』の思春期のホルモンに振り回されるナードな少年の無邪気さと欲望、また初恋の女の子へのぎこちなさや躊躇、変わり者の級友をコミカルに愛情深く描くあり様は、ジョン・ヒューズから『フリークス学園』など、退屈な郊外の町でファーストキスを求める白人男子を描いた米国学園コメディと同種の馴染み深い感覚を抱かせる。男だけのサッカー部に入部してきた転校生の女子生徒に魅かれるのっぽのグレゴリーは、運動神経抜群の彼女にポジションを奪われても全く気にしなければ、部活も趣味(ドラム)もからきしでも一切思い悩むところのない態度がチャーミングだが、そのような雰囲気は『ナポレオン・ダイナマイト』なんかも重なるかもしれない。あるいは、兄よりも大人びた幼い妹から助言を与えられる兄妹の関係性は、『(500)日のサマー』を彷彿とさせる。一方で、無知な少年たちが、アパートで看護師が服を脱ぐ様子を外から覗き見るように、いくつか性差別も散見されるが、その意味でもこのジャンルが内包してきた有害な問題を孕んでいる。題名からもグレゴリーの女性への所有/客体化を含むニュアンスを一瞬嗅ぎ取ってしまうが、しかし実際のところ、むしろ少女たちの方が男を導く自立的な存在として際立てられている(女子たちの連携による策略がユニーク!)。青春映画にあって、ボーイ・ミーツ・ガールを装って、“運命の女性”との関係を描いたラブストーリーではない点は、今なお新鮮な驚きと魅力がある。ウブな少年の勘違いも男性優位の世界への少女の挑戦も笑わない優しさ!

『シルビーの帰郷』は、女は家を整理整頓して清潔に維持しながら家事を切り盛りしなければならないという伝統的な母性概念からの脱却を示す。主演クリスティーン・ラーチの夫トーマス・シュラムが監督した『ミス・ファイヤークラッカー』(サム・フリークスVol.12で上映した傑作)同様に、女性に設定される規範からの独立を謳った映画とも言え(どちらも幼くして孤児となり叔母に育てられる/た女性の物語)、サム・フリークスVol.6で特集された『わが青春の輝き』『若草の祈り』に続く文芸フェミニスト映画である。児童の福祉に国が官僚的に関与することへの懐疑的な視線は、本イベントが擁護するケン・ローチとも通じるものかもしれない。

サッカー少女はユニフォームのまま黙々と暗闇を走り、家を飛び出した女たちは逆算はせずに暗闇を漂流する。

「孤独というのは究極の発見なのだ」──マリリン・ロビンソン『ハウスキーピング』

(映画ライター・常川拓也

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グレゴリーズ・ガール(原題:Gregory's Girl)』(1980年、監督:ビル・フォーサイス

Blu-ray上映(日本語字幕付き)

1982年 英国アカデミー賞 脚本賞受賞

出演: ジョン・ゴードン・シンクレア、ディー・ヘプバーン、 クレア・グローガン

 

シルビーの帰郷(原題:Housekeeping)』(1987年、監督:ビル・フォーサイス

Blu-ray上映(日本語字幕付き)

1987年 東京国際映画祭 審査員特別賞&最優秀脚本賞受賞

出演: クリスティーン・ラーチ、サラ・ウォーカー、アンドレア・バーチル

主催:岡俊彦
お問い合わせ先:岡俊彦(電話:080-4065-3412 メール:hardway@ba.mbn.or.jp)