『ケス』は最高の映画だけど、この作品に関しては監督のケン・ローチだけじゃなくて、原作&脚本を手掛けたバリー・ハインズの功績も非常に大きいと思う。
ちなみに、監督:ケン・ローチ×脚本:バリー・ハインズのタッグの作品としては『The Price Of Coal(石炭の値打ち)』こそが彼等の真の最高傑作だと思っているので、いつかはサム・フリークスで上映したい(しかし、BBCをたらい回しにされて上映権を取得できなかった過去があるので、BBCの関係者がこれを見てたら何とかしてくれー)。『ケス』で重要なモチーフになっている「炭鉱」をメインテーマとして突き詰めた集大成的な二部作。この時期(70年代半ば)のケン・ローチは交通事故で息子を亡くした直後ということもあってか、『Days Of Hope(希望の日々)』〜『The Price Of Coal(石炭の値打ち)』と鬼気迫る大作を連続で発表するんすよね。
あと、バリー・ハインズの脚本作品としては『SF核戦争後の未来・スレッズ』は核戦争によって荒廃していくシェフィールドを描いた実写版『風が吹くとき』といった趣きの傑作群像劇。『ケス』とはまた違った形でドキュメンタリックな要素を取り入れており、日本でも配信されているので観ておいて損はないと思います。こちらの監督は『ボディガード』『L.A.ストーリー/恋が降る街』のミック・ジャクソン。