『Echo In The Canyon』はジェイコブ・ディランをナビゲーターに、1960年代のローレル・キャニオンにおけるフォーク・ロック・シーンの功績を追ったドキュメンタリー。本作を観ると、ビーチ・ボーイズやバッファロー・スプリングフィールドすらをも差し置いて、(その後のギター・バンドへの影響力の大きさも含めて)バーズがやはり別格の存在であったことがよく分かる。いち音楽ファンの立場から彼等を讃えまくる故・トム・ペティの姿も印象的。まあ彼の音楽って、まさにこの時代のローレル・キャニオンの申し子って感じだったもんな。そして余計なことは語らずにギターを弾くだけで場をかっさらっていくニール・ヤングが最高。ローレル・キャニオンにはピーター・トークとミッキー・ドレンツも住んでいたので、モンキーズの話もちょこっと出てくる(そもそもピーター・トークとスティーヴン・スティルスは無名時代からの親友だ)。
あと、ジャック・ドゥミが『ロシュフォールの恋人たち』の次に撮った『モデル・ショップ』(『ローラ』の続編)が、当時のローレル・キャニオンを正確に捉えた非常に音楽的な映画であるということで高く評価されておりました。
レジーナ・スペクターやベックやキャット・パワーといった豪華面子が参加して当時の名曲をカヴァーしたサウンドトラックも素敵な内容っすよ。