Bloodwitch/I Am Not Okay With This
★★★★★
『ノット・オーケイ』の劇中で登場人物のスタンリーが激推ししていたバンドの1stアルバム。実はこれ、ブラーのグレアム・コクソンがこのTVシリーズの為にタチアナ・リチャウドと結成した架空のバンドなのだ。『このサイテーな世界の終わり』にも「Walking All Day」などのフォーキーな佳曲を提供していたグレアムだが、こちらではジーザス&メリー・チェインのパスティーシュとしてノイジーかつポップなギター・ロックを嬉々として演奏しているのだった。しかも『このサイテーな世界の終わり』のサントラと違ってこちらは全曲歌もの。ジザメリ流儀ということで3コードの旨味を存分に引き出しつつ、歌の方はタチアナ・リチャウドに比重を置いてガールズ・ポップ風のエッセンスを多めに配合しているのが嬉しい。もちろん、ロネッツの「Be My Baby」のビートで「Just Like Honey」のパロディ(「Fly」)をやることも忘れてはおりません。そういえばジザメリとブラーは1992年に(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとダイナソーJr.と共に)「ローラーコースター・ツアー」と銘打って一緒に英国中を回った間柄だったな。傑作です!