『このサイテーな世界の終わり』のシーズン1は「アリッサの父親に会いに行く」という目的がハッキリしていたのでストーリーに疾走感があった。シーズン2では「そもそも計画なんかない。それが問題なんだ」という台詞があるように、そもそもの目的がなくなっており、登場人物達は人気の少ないイギリスの田舎を彷徨い続ける(それ故に疾走感は落ちている)。しかし、そんな中だからこそ、アリッサとジェームスの絆がはっきりと浮き彫りになっていくところがシーズン2の美点だろう。いや、本当に素晴らしいTVシリーズだった。綺麗に完結したところも含めてNetflix配信のTVドラマシリーズではダントツでベストだな(次点で『デリー・ガールズ』『アンビリーバブル』『ユニークライフ』など)。
というか2019年1月発売の『ネットフリックス大解剖』(常川拓也さんが「サム・フリークス Vol.2」の楽屋でこの本の原稿を書いていたのを思い出す)で『このサイテーな世界の終わり』と『ユニーク・ライフ』が取り上げられていなかったのはマジで謎でしかないんすよねえ。『ベター・コール・ソウル』が入っているのでNetflix製作の作品に限定したわけでもなさそうだし、シーズン2以降大失速していった『13の理由』を取り上げるぐらいならば、という気持ちだった(あと、Netflixの世界戦略が大成功した代表例であるドイツ産の『ダーク』が入っていないのもかなり違和感があった)。