特集上映:サム・フリークス Vol.7
2018年秋からスタートした「はみ出し者映画」の特集上映イベント「サム・フリークス」の第7回! 今回もレアな映画を2本立てで上映していきます。1本目は『グッド・ライ』『ぼくたちのムッシュ・ラザール 』のフィリップ・ファラルドーが手掛けた児童映画の傑作『本当に僕じゃない!』、2本目はアメリカ版『珈琲時光』かつゾーイ・カザンの最高傑作である『エクスプローディング・ガール』となっております。
どちらもこの機会を逃すとなかなか劇場では観ることができないであろう貴重な作品で、今後のソフト化の予定もありませんので、この機会にぜひー。今回も有料入場者1名につき250円が虐待を受けたり貧困下にある子供達への学習支援&自立支援として役立てられます!
2020年5月23日(土)には同会場でイベントの第8弾が開催されます! こちらもぜひ!
概要:
1)日時:2020年1月26日(日)
2)会場:ユーロライブ(渋谷)
タイムテーブル
13:00~ 当日券販売開始
13:20~ 開場
13:35~『本当に僕じゃない!』上映
15:25~ 休憩
15:40~『エクスプローディング・ガール』上映(16:59上映終了予定)
*紙版のチラシには休憩が15:09~、『エクスプローディング・ガール』上映が15:25~と記載されておりますが、実際には上記の内容が正しいです。大変申し訳ございませんでした。
3)当日券料金:2本立て1500円(入れ替えなし・整理番号制)
※当日券は当日の13時00分より会場受付にて販売いたします。
※主催者の白血球の数が極端に減少してきており、感染症のリスクが高まっていることが判明した為、前売り券は特別価格1314(脾臓瀕死)円でPeatixにて販売中です。
本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、当ブログにおいて寄付の実施をご報告いたします。
お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。
また、未成年の方は当日会場にて500円返金します! 性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1314円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。
お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。
こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonのほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。
※前売り券について※
開場は13時20分です。整理券等への引き換えの必要はございませんので、劇場への入場時にPeatixのチケット画面、もしくは予め印刷したものを係員にご提示お願いします。入場順序に関しては、前売り券→当日券の整理番号順となります。場内は全席自由席となっております。入金後のキャンセルは承りかねますのでご了承ください。
「サム・フリークス Vol.5」で特集した『まどろみのニコール』の共同脚本家ヴァレリー・ボーグラン・シャンパーニュがスクリプト・コンサルタントとして携わった『本当に僕じゃない!』の主人公レオンは、まるで『ハロルドとモード』のハロルドの幼い頃のようだ。機能不全の家族の中で、彼は狂言自殺をたびたび起こすのだ。しかし、それは心の痛みに対するまだ手段を知らない彼なりの身体的な反応、あるいは抵抗として発露している(大人を騙くらかすためなら自傷も厭わないレオンと対になるのが、継父から虐待を受ける近隣に住む少女レアだろう)。フィリップ・ファラルドーは、奇行に走る彼を上から目線で悲惨な家庭の犠牲者としては扱わず、感情を通して外界を体験していく児童ならではの感受性や自分は普通じゃないかもしれないという自意識をユーモアの感覚に代えて巧みに表現しているのが素晴らしい。
一方、ザ・キュアーの「エクスプローディング・ボーイ」にちなんだ題名を持つ『エクスプローディング・ガール』だが、それは、痙攣発作を抑える薬を服用している女子大生アイヴィ(ゾーイ・カザン)がいつ“爆発”するとも知れない癲癇を患っていることを表している。しかしその病状はあくまでも間接的にしか示されない。スーザン・ソンタグは「過去の大きな流行病においては、各人はその災禍に見舞われた社会の一員として病気にやられたものだが、これとは対照的に、結核は個人を社会から切り離す病気とされたのである」と言ったが、むしろ例えば不眠症の女子大生を白黒で描いた『まどろみのニコール』のように、感情的な状態を比喩を用いることでより表現するような機能を果たしていると言えるのかもしれない。ブラッドリー・ラスト・グレイと妻ソー・ヨン・キムは、お互いの作品で共同製作・編集を担っている。共通して同じ空間にいるような親密さと手触りのあるミニマリズムな作風を有するが、キムの『ラブソングに乾杯』と同様に、本作もまた、深い友情のどこかの時点で愛との境界が曖昧になっていく様を見つめている。本作はマンブルコアに属するとも評されるが、統制された望遠のフレーミングは、明らかにより端正で洗練されている。魔法のように美しい。
(映画ライター・常川拓也)
『本当に僕じゃない!(原題:C'est Pas Moi, Je Le Jure!)』(2008年、監督:フィリップ・ファラルドー)
*紙版のチラシには製作年が「2009年」と記載されておりますが、実際は「2008年」が正しいです。大変申し訳ございませんでした。
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
2009年 カナダ・アカデミー賞 編集賞ノミネート
出演:アントワン・レクイヤー、スザンヌ・クレマン(『わたしはロランス』『Mommy/マミー』)、キャサリン・フォーシェ
『エクスプローディング・ガール(原題:The Exploding Girl)』(2009年、監督:ブラッドリー・ラスト・グレイ)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
2011年 インディペンデント・スピリット・アワード ジョン・カサヴェテス賞ノミネート
出演:ゾーイ・カザン(『イン・ユア・アイズ』『ビッグ・シック』)、マーク・レンドール(『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』)
主催:岡俊彦
お問い合わせ先:岡俊彦(電話:080-4065-3412 メール:hardway@ba.mbn.or.jp)