Netflixで配信が始まった『デリー・ガールズ ~アイルランド青春物語~』が素晴らしい。90年代半ばの北アイルランドのロンドンデリー(アンダートーンズの出身地!)を舞台に展開される学園ドラマ。『フリークス学園』や『サイテー! ハイスクール』のような「ボンクラ男達の学園コメディ」の女性版といった感じで個性豊かな女達がバカをやっているのがまず楽しいし、「ブス」がどうとかみたいなギャグがないところも安心して観ていられる(どうしてそういうギャグがないのか分かりますか? つまんないからだよ!)。
ポップ・ソングの使い方もサイコーで、当時の欧州でウェット・ウェット・ウェットの「Love Is All Around」やウィッグフィールドの「Saturday Night」がアホみたいにヒットしていたことを改めて思い出させてくれる絶妙な選曲が面白すぎ。個人的にはEMFの「Unbelievable」に悶絶。もちろん、ご当地ソングということでアンダートーンズの「Teenage Kicks」もきちんと使われております。
そして、北アイルランドの政治的・宗教的な対立と抑圧が全編において常に根底にあることが、このドラマに大きな深みを与えている。特に第 1シーズンの最終話はマジで胸が締め付けられますよ。(『このサイテーな世界の終わり』なんかと同様に)1シーズン通して観ても合計2時間30分程度で1本映画を観るのとそれほど変わらないので、『グッド・ヴァイブレーションズ』と併せて観賞するのがオススメ。ちなみに本作は2002年以降の北アイルランドで最大のヒットを記録したドラマ・シリーズになったとのこと。