『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』のオープニングにおけるマイリー・サイラスの「Do My Thang」使いが超鮮烈だったのに比べると、同じくエイミー・シューマー主演の『 アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』のオープニングでのマルーン5の「What Lovers Do」使いはどうにも間延びしていて、そこに映画の完成度の違いが端的に表れている感じ。
そもそも『アイ・フィール・プリティ!』はエイミー・シューマーが「I'm beautiful!」と言うことを「ギャグ」として観客に提示している映画なので、その後にいくら「全ての女性は美しい」とか言ったって綺麗事にしか聞こえないという大きな問題がある(というかエイミー・シューマーは全然普通に美人だと思うし。それこそ『シェイプ・オブ・ウォーター』でのサリー・ホーキンスだって全然美人だし、彼女達を「ブス」として扱う偏狭な感覚の方がよっぽどギャグでしょ。そういうクソな意識こそ笑いのネタにしていこうぜ、と思う)。
というか「いくら食べても大丈夫~」と言って少し大きめのタコスを食べるって、それって面白いか? ギャグにするんなら、そこはぷろたん並みに爆食いしてくれよ、と。上手くギャグに振れないんであれば、『おとぎ話を忘れたくて』のように抑圧に対して真摯に向き合って欲しかった。