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改めてあっこゴリラのソロとしての配信デビュー曲「ブラコン万歳!」(後の「純粋培養」)を聴いてから本作を聴くと、他人の目を気にせずに自分を貫くことが大切なんだ、そういう人こそがかっこいいんだ、という根源的なテーマがデビューから現在に至るまでずっと一貫していたことに気付かされる。ブレないゴリラ。
また、今回のアルバムは彼女のメロディ・センスの良さが全編で発揮されているんだが、「ブラコン万歳!」自体も相当にメロディアスなナンバーだったわけで、つまりは元々この人が持っていたポテンシャルが研ぎ澄まされていって、純度100%で(まさに「100%AKKOGORILLA」で)放たれたのが今回の『GRRRLISM』ということになるんだと思う。
タイトル曲「GRRRLISM」でのM.I.A.の「Bingo」を意識したかのようなフローや、ジェンダー・フリーなラヴ・ソング「オーバー・ザ・ボーダー」でのベティ・デイヴィスを彷彿させるファンクの女王っぷりも最高だし、ZAZEN BOYSと同名の楽曲(「開戦前夜」)を作るってところからも彼女の覚悟と気合がビンビンに感じられるってなもんじゃないか。あっこゴリラの好きな物、大切にしていきたい物がこれでもかと詰め込まれた宝物みたいなアルバム。脇毛を伸ばすのも鉄オタであることも、究極的には同じことだと思う。1000人いれば1000通りの生き方があるということ。そんな生の実感を感じられる全12曲41分。個人的には映画ネタの曲が多いのが嬉しかったっす(「ジェイソン」→『13日の金曜日』、「GOOD VIBRATIONS」→『グッド・ヴァイブレーションズ』、「THIS IS ME」→『グレイテスト・ショーマン』)。
そして、このアルバムの流れで最後に聴く「ウルトラジェンダー」がまた格別なんだ。オリジナルよりもあっこゴリラ本人が叩いている生ドラムを強調した新ミックスになっており、ドラマー時代の「弱かった自分」を捨て去るのではなく、そんな昔の自分と一緒に高みを目指していこう、そういう彼女の優しさとタフネスが音から伝わってきて大きく心を揺さぶられてしまった。間違いなく傑作。間違いなく必聴です。これでようやく2018年始まったって感じ!