Roger Daltrey /As Long As I Have You
★★★★
ウィルコ・ジョンソンとタッグを組んだ『Going Back Home』が(ウィルコ・ジョンソンの死ぬ死ぬ詐欺効果もあって)久しぶりにヒットを記録したロジャー・ダルトリー。続いて発表された本作もUKチャートでトップ10入りを記録したんだから、キャリアの終盤にようやくソロ・シンガーとしても確固たる地位を築けたと言えるんじゃないだろうか。いやあ、長生きはするもんすねえ。
本作は過半数の曲でピート・タウンゼントが参加しており、実質的に「ほぼザ・フー」な状態でリラックスしたアーシーなロックが展開されることもあって、『The Who By Numbers』辺りを彷彿させる雰囲気が全体から漂ってきて素敵。ソロとしての1stアルバムである『Daltrey』では無名時代のレオ・セイヤーをフックアップするなど、生来の耳の良さを持つロジャー・ダルトリーだが、本作でのカヴァー曲のチョイスもマナサス(スティーヴン・スティルス)の「How Far」だとかニック・ケイヴの「Into My Arms」だとか、イチイチ気が利いていて素晴らしい。というわけでザ・フーが好きなら聴いて損はない1枚。というか、こういうノリでフーのアルバムも作ればいいのに。
『The Who By Numbers』といえば、『フリークス学園』で主人公の両親が「Squeeze Box」の歌詞について語り合うシーンが大好きー。