映画『Urban Hymn』(監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ)観賞。★★★★。
『ルワンダの涙』という傑作を撮ったにも関わらず、その直後に撮った『氷の微笑2』が大コケしてしまった為に映画業界から干されてしまったマイケル・ケイトン=ジョーンズの起死回生の一発。ロンドンにある少年少女の保護施設で働くケアワーカーと、そこで暮らす少女達の物語。2011年のイギリス暴動から始まることもあって、『Kidulthood』と『ショート・ターム』を足して2で割ったかのような内容で、少女達がいつ荒んだストリート・ライフに逆戻りしてしまうのかという緊張感が最後まで持続し続ける。しかも本作は音楽映画でもあって、ビリー・ブラッグがライフワークとして行っている「ジェイル・ギター・ドアーズ」(刑務所に入れられている囚人達に楽器を届け、音楽を通じて彼等に自信や生き甲斐を取り戻させるリハビリテーションを行う慈善活動)を支援するものである、となれば誰が特別出演しているかは分かるってもんすよね? というわけで、物語の着地に失敗している点を除けば、『ブラック・パンサー』のシュリ役で注目を集めているレティーシャ・ライトの魅力も全開だし、観る価値は十二分にあるかと思います。ちなみに、本作のタイトルはザ・ヴァーヴの傑作『Urban Hymns(都会の聖歌たち)』から採られている(複数形から単数形に変更されている点がキーポイント)。