今年の秋ぐらいに開催したいなあと思っている2本立て上映イベントの作品がまず1本決定いたしました。1950年代のハリウッドを代表する早逝した名コメディエンヌであり、ジョージ・キューカーとの一連のコラボレーションでも有名なジュディ・ホリデイの最高傑作『純金のキャデラック』です。過去の名画座のスケジュールまで調べきれないので確かではないけれど、おそらく50年以上ぶりの日本再上映。彼女がいなければ『キューティ・ブロンド』もリース・ウィザースプーンのキャリアもなかったわけで、そういう意味でも重要な作品かと思います。
『純金のキャデラック』で会社を牛耳っている大株主の役員達は全員男、そして彼等と相対することになる小株主の大半は女性であるということ。最後に車を運転しているのは誰なのかということ。また、役員達からの贈り物と小株主達からの贈り物の対比で、「トップダウン」よりも「ボトムアップ」の方が大きな力になるということが描かれている点をきちんと理解できれば、より重層的にこの作品が楽しめると思いますよー。
監督のリチャード・クワインはハリウッド映画が一気に低調になっていく50年代から60年代にかけて頑張って気の利いたコメディを撮っていた人(個人的には『女はそれを我慢できない』のフランク・タシュリンなんかと近い立ち位置の人という認識)。
今度のイベントは基本的にはノー・コンセプトだけど、とりあえず「はみ出し者映画特集」ってことでお願いしまーす。