Netflixの英断に、思わず目を疑った。
本国ではアルバムを出すたびにチャート1位を獲得し続けてきた「カナダのR.E.M.」ことトラジカリー・ヒップ(ウィータスの名曲「In The Melody」の中でリスペクトを捧げられていることでもお馴染み)。そのフロントマンであるゴード・ダウニーは惜しくも先月17日に亡くなってしまったわけだが、彼が末期の脳腫瘍であることを公表して昨年夏に行ったバンドのラスト・ツアーの模様を記録したドキュメンタリー映画『ロング・タイム・ランニング』がNetflixで配信開始。カナダ以外での知名度が皆無にも関わらず、速攻で字幕を付けて全世界に向けて配信してくれたNetflixの熱意に大感激ですよ。
カナダにおいてトラジカリー・ヒップがどれだけ国民的なバンドだったのかというと、ゴード・ダウニーの死を受けてジャスティン・トルドー首相が涙ながらに追悼コメントを発表したほど。『ロング・タイム・ランニング』の中でも最も熱くトラジカリー・ヒップ愛を語っていたのはジャスティン・トルドー首相その人なのだった。「トラジカリー・ヒップは今までもこれからも文化的に大きな力を持ち続ける。彼等はこの国の身近で確かな拠り所なんだ」と。
トラジカリー・ヒップの曲で日本での知名度が最も高いのは、アトム・エゴヤンの映画『スウィート ヒアアフター』の中でサラ・ポーリーが歌っていた「Courage」ってことになるんでしょうか。