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まさかの大傑作。前作『Ghosts Of Download』ではデジタル・クンビアを取り入れていたりもしていた彼女達。3年振りの新作となる本作ではチャーリーXCXやジョニー・マーから楽曲提供を仰ぎ、シーアやデヴ・ハインズをソングラティング・パートナーとして迎えつつも、サウンドは彼女達が最も得意とするパワー・ポップ路線まっしぐら。そういえば映画『T2 トレインスポッティング』において、前作の『トレインスポッティング』でフィーチャーされていたアーティストの楽曲*1はリミックスだなんだで加工されて時代の経過を感じさせる使われ方をされていた中で、ブロンディの「Dreaming」だけは唯一そのまんま使われていて、その音楽のエヴァーグリーンな魅力が浮き彫りになっていたことを思い出す。ブロンディはキャリア40年超えの新作でもそれをしっかりと証明してみせたのだ。『Parallel Lines』に匹敵するとまでは言わないが、『Plastic Letters』や『Eat To The Beat』に匹敵するブロンディの最高傑作の一つだと思う。全11曲45分。必聴。
CD版のシークレット・トラックである「Tonight」(これもチャーリーXCXからの提供曲)には盟友のローリー・アンダーソンも参加しております。
*1:正確に言うと、1作目の『トレインスポッティング』で使われていたブロンディの楽曲は「Atomic」のスリーパーによるカヴァーなんだが、ラフカットの段階ではブロンディの原曲が使われていたところに、スリーパーが原曲に合わせて演奏したものを置き替えただけなので念の為。