映画『Tom Petty And The Heartbreakers: Runnin' Down A Dream』(監督:ピーター・ボグダノヴィッチ)観賞。★★★★。
ピーター・ボグダノヴィッチってあまり「ロックの人」という印象がないんだが、よくよく考えたら1939年生まれだから、スコセッシよりも3歳年上なだけなのだった。ロン・ハワードが手掛けた『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years』は「Black Lives Matter」の時代に相応しい「物語」を2時間で語るという、彼の人情派映画監督としての側面が発揮されたロック・ドキュメンタリーだったが、本作はトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの通史を4時間かけて語るという、ピーター・ボグダノヴィッチの批評家/歴史家としての側面が強く出た生真面目なドキュメンタリー。とはいえ、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズがサウンドトラックを手掛けたエドワード・バーンズの『彼女は最高』をスルーしているのはちょいと納得がいかないぞ。まあ、同時期に出た『Wildflowers』が名盤過ぎるので、どうしてもそちらにスポットが当たってしまうのは仕方ないか(この映画自体も同作収録の「You Wreck Me」から始まる)。ロジャー・マッギンの周囲のスタッフに「お前ら、この人がどれだけ偉大な人か分かってんのか?」と力説するトム・ペティの姿に萌え。『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』でお馴染みの「You Got It」のレコーディング風景も出てきます。