↑ジェニファー・ジェイソン・リーのキャリアを総括したこちらの1時間以上に及ぶ濃密なインタビューでも、インタビュアーが「『ヘイトフル・エイト』以前のあなたの最高傑作、いや『ヘイトフル・エイト』を含めたとしてもあなたの最高傑作として多くの人が挙げるのは『ジョージア』でしょう」と言っているんすよね(30分頃〜)。そして嬉しそうな微笑みを浮かべるJJL。これはJJL本人にとってもファンにとっても『ジョージア』が特別な意味を持つ映画であるという文脈が共有されているからこそ、こういうことが言えるわけだ。実際、彼女のファンが制作したジェニファー・ジェイソン・リーのベスト・パフォーマンス10選でも、『ヘイトフル・エイト』を差し置いて堂々の1位に輝いているのは『ジョージア』だし。もちろん、おいらにとっても特別な意味を持つ、本当に大切な映画です。JJLの魂の歌声が収録されているサウンドトラックも名盤。
あと、『初体験/リッジモント・ハイ』のオーディションを受けた際のエピソードも味わい深い(JJLが拒食症の少女を演じた『The Best Little Girl In The World』で自分のスタンドインを務めた女性がオーディションの直前に実際に拒食症で死んでしまい、責任を感じていたJJLは同作のことをエイミー・ヘッカリングに聞かれて泣き出してしまったとのこと)。こういう真面目な性格の人だったからこそ、エイミー・ヘッカリングは「陽気なオール・アメリカン・ガール」を求めていた映画会社に逆らって、JJLを『初体験/リッジモント・ハイ』のセンター・キャラクターとして据えたのだと思う。表面的には能天気な青春コメディを装いつつ、若者だって若者なりに人生について悩んでいる、ということが真摯に描かれているのが『初体験/リッジモント・ハイ』の大きな魅力&特色だったわけで。