メアリー・ルー・ロードの新作『Backstreet Angels』のベスト・トラックはピーター・ブルンネルのカヴァー「By The Time My Head Gets To Phoenix」だと思うんだけど、初めて聴いた時はこの曲の歌詞が理解できなかった。もちろんタイトルがジミー・ウェッブの「By The Time I Get To Phoenix(僕がフェニックスに着く頃)」へのオマージュであることはすぐに分かるわけだが、こちらはなぜか「僕の“頭”がフェニックスに着く頃」なのだから。ピーター・ブルンネルのインタビューを読むに、要するにこの曲って、死を目前にした男(もしくは女)が「科学が進歩すれば、きっといつかは生き返ることができるはずだから、その時にまた会おう」と自分の幼い子供に対して語りかけている歌なのな。「頭」は冷凍保存の為にフェニックスに送られるのだ(フェニックスには人体冷凍保存を行っているアルコー延命財団の施設があることで有名(*1)。映画『チャッピー』が公開された年に聴くに相応しい楽曲といえよう。相変わらずメアリー・ルー・ロードの選曲センスは素晴らしい。ピーター・ブルンネルの作品もきちんと追わねば、と思わされましたですよ。
↑ここでのメアリー・ルー・ロードのボブ・ディランっぷりが素敵すぎる。あと、この時に行われたインタビューで言ってるけど、彼女ってジョニ・ミッチェルの家に1週間ほど居候していた時期があったんすね。
*1:だから、メアリー・ルー・ロードはこの曲を演奏する際には、その頭部がアルコー延命財団にて冷凍保存されているテッド・ウィリアムズに献辞を捧げたりしている。