映画『シルビーの帰郷』(監督:ビル・フォーサイス)観賞。★★★★★。
『プロミスト・ランド』からの流れでビル・フォーサイスの1987年作品を観賞。これは本当に素晴らしかった。田舎町の排他的な側面を描いており、『ローカル・ヒーロー』のコインの裏側にあたるような内容といえるかも。はみ出し者姉妹のヘレンとシルビー。姉のヘレンは世界に自分の居場所がないことを苦に自殺するが、妹のシルビーは生き続ける。
「闇の向こうに」
何かを求めて走り続けろ。自由に生きようとする叔母シルビーと二人の姪の関係を通して時代と人生を鋭く見据える。どの時代にも他人と違う己の感性,意志,論理を貫くことの困難さ。にもかかわらず連帯を志向する友はいるのだ!漆黒の闇の中に続く橋を女2人が駆け抜けるラストシーンは圧巻。絶品!
シルビーを演じたクリスティーン・ラーチは、後に はみ出し者映画の金字塔『マイ・ファースト・ミスター』を監督することになるが、おそらくは本作がその原点になっているのだろう。シルビーやルーシーのような人間は、今も世界のどこかで自分の居場所を求めながら、孤独と闘いながら生き続けている。そのことについての、彼女なりの回答が『マイ・ファースト・ミスター』だったのだと思う。
↑リーリー・ソビエスキーの最高傑作である『マイ・ファースト・ミスター』は日本だと未DVD化。でも、おいらは輸入盤DVDを加工した私家版の日本語字幕付きDVDを作成済みなので(それぐらい大好きってこと)、観たい人がいたら言ってください。