映画『プロミスト・ランド』(監督:ガス・ヴァン・サント)観賞。★★★★。
ビル・フォーサイスの『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』を下敷きに、ブルース・スプリングスティーンの『Wrecking Ball』で味付けしたマット・デイモンの脚本・主演作。マット・デイモンはインタビューで「『Wrecking Ball』はこの映画の背骨になっている」と答えているほどで、このことからも分かるように本作の『プロミスト・ランド』というタイトルはスプリングスティーンの同名曲からの引用なのである。ジョン・クラシンスキーがネブラスカ出身という設定だったり、劇中でスプリングスティーンの「Dancing In The Dark」が歌われているのはその為*1。
『ローカル・ヒーロー』にあったような捻り(「石油コンビナート建設で地元住民からの猛反対を喰らうかと思いきや、なぜか大歓迎される」「コメディ・リリーフとしての変なセラピスト」等)がない、まさにスプリングスティーンのように実直な、悪く言えば生真面目な作りで、代わりに顔を洗うシーンのこれ見よがしな反復や、クライマックスでの演説などによって本作の強烈な「アメリカ映画性」が浮き彫りになっているのだった。
*1:また、本作にエミルー・ハリスの楽曲が使用されているのは、彼女にも『Wrecking Ball』というアルバムがあることに引っ掛けているんではないかと思われる。