なんとなくハリー・ニルソンの「Turn On Your Radio」の歌詞を訳してみた。この世でもっとも優しい歌の一つだと思う。
あと、この曲が収録されている『Son Of Schmilsson』のジャケットにも顕著だけど、ニルソンは(アメリカ人なのに)英国的なひねくれたユーモア・センスを持ってるのが良いんですわ。『Son Of Schmilsson』だと「お漏らしするみじめな老人になるぐらいなら死んだ方がマシ〜♪」って歌を養老院の老人達に歌わせてたりとか。ビートルズやモンティ・パイソンのメンバーと仲が良かったのも非常に納得できるっつうか。その辺りの詳しい話はドキュメンタリー映画『Who Is Harry Nilsson (And Why Is Everybody Talkin’ About Him?) 』にも出てきます。
『Son Of Schmilsson』は、その前作の『Nilsson Schmilsson』(ニルソン最大のヒット作)に比べると明らかに散漫な内容なんだが(当時のニルソンが抱えていた離婚問題が影響している)、その分パーソナルな楽曲が集まっていて好きなんだな。ブルース・スプリングスティーンの『Born in the U.S.A.』と『Tunnel of Love』の関係性に近いといえば近いか。「人生がギャンブルなんだとしたら/賭けないと絶対に勝てないよ」と歌われる「The Lottery Song」も本当に美しい。
ちなみにニルソンの『Aerial Ballet』はエアロスミスのバンド名の元ネタなのです。
「Turn On Your Radio」
どこに向かっているのかは分からないけど
僕は旅をしているんだ
この風が僕を運んでいってくれたらいいのに
ラジオをつけて
僕の歌を聞いてみて
僕はもういないけど
心に明かりをともしてよ
どうしてこうなったか分からないけど
僕はもういないんだ
あんなことは聞きたくなかった
僕のせいかもしれないけど
レコードプレイヤーで
僕の歌を聞いてみて
僕はもういないけど
心に明かりをともしてよ
これからなんて分からない
でも、全てはいつか終わるもの
この風が僕を運んでいってくれたらいいのに
ラジオをつけて
僕の歌を聞いてみて
僕はもういないけど
心に明かりをともしてよ