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レジーナ・スペクターに強い影響を受けた宅録打ち込みポップという趣きだった1stアルバム『Made Of Bricks』、ブリル・ビルディング色を強めた2ndアルバム『My Best Friend Is You』ときて、3rdアルバムとなる本作では一気にライオット・ガール(Riot Grrrl)化。ル・ティグラのJDサムソンと交流を深めたことの影響が大きいと思われるが、前作収録曲である「Kiss That Grrrl」のタイトルからもその萌芽は感じられたし、この人はデビュー時からビリー・ブラッグと何度も共演してきた気骨のある人だったので、実はこの変化はそれほど意外ではないし、素直に受け入れられるのだった。
ケイト・ナッシュはもともと「鍵盤楽器の人」ではあるものの、本作では彼女自身が弾く(あんまり上手くない)ギター&ベースが大きくフィーチャーされており、それがサウンドの基調となっている。この荒削りなギター・ロック・サウンドから彼女の初期衝動がビンビンに感じられるのが本作の大きな魅力だ。もちろん彼女の持ち味であるポップなメロディ・センスは健在なのでご安心を。最近ではBecause I am a Girl大使にも就任していたし、彼女の尽きることのない活力にはマジで勇気づけられるぜ。死んでる暇なんてない!ガールパワー!全15曲52分。