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ヨーランディがデヴィッド・フィンチャー版『ドラゴン・タトゥーの女』におけるリスベット役の元ネタになるなど、相変わらず南アフリカ発で世界中に多大な影響を及ぼしているダイ・アントワード。ウータン・クランがRZAの構想による5ヶ年計画に基づいて進められたグループだったように、ダイ・アントワードはニンジャの構想によるアルバム5枚計画に基づいて進められているようで、本作はその第2弾となる。まあ何だかんだ言ってニンジャとヨーランディは10年以上に渡って活動を共にしているわけだし、これまでのキャリアを踏まえた上での長期的な視点はそれなりにしっかり持っているんでしょうな。
前作『$O$』はもともとフリーダウンロード作品であり、2010年にインタースコープから発表されたヴァージョンは世界進出第一弾ということもあってディプロをプロデューサーに迎えたりと、どちらもゲストが多数参加したバラエティに富んだ内容だったわけだが、先行シングル「Fok Julle Naaiers」で「Fuck You All」と相変わらずの徹底した悪意を突き付けてきた本作では余計なゲストを排して焦点を絞り、前作以上にレイヴ・ミュージック色を強めてきた。そのおかげでヨーランディのラップ・パートが増えまくっているのがとにかく嬉しいし、トライバルなデジタル・ビートが炸裂する「Fatty Boom Boom」を筆頭に、彼等が世界的に名を轟かせるきっかけとなった「Enter The Ninja」ばりにキャッチーなナンバーが揃いまくっていて心を掴まれまくり。
リュダクリスの「Move Bitch」を引用した「Hey Sexy」や、ダイ・アントワード版Gファンク「So What?」などでアメリカのヒップホップに目配せしつつも、南アフリカという地の利を活かして独自のスタンスを保ち続けているのも偉い。2010年のサマーソニックに続く再来日公演を早急に希望だ。大好きな気持ち、モリモリだよ!殺せ殺せ殺せ!余裕で『$O$』超えの傑作!全13曲38分。
↑毎回PVのクオリティ高すぎ。今回は写真家のロジャー・バレンとの共作。