したまちコメディ映画祭の前夜祭オールナイトに行ってきた。
『ホール・パス/夢の独身許可証<期間限定>』(監督:ピーター・ファレリー&ボビー・ファレリー) ★★★★
『2番目のキス』に『ライラにお手あげ』と低調な作品が続いていたファレリー兄弟だが、本作でようやく復調を果たしたといえるのではないだろうか。彼等の特徴の一つであった「過激なギャグ」は以降のコメディ作家によって次々と更新されてしまったこともあって、この映画も作り自体は「一昔前のコメディ」という印象を強く受ける。だが、「自分達が幸せだったら(楽しかったら)、別にロートル扱いされてたって構わんぜ」という開き直りも随所で感じられて、それがこの物語の強度につながっていると思う。
『ウソツキは結婚のはじまり』(監督:デニス・デューガン) ★★
アダム・サンドラーのプレイボーイぶりっこはもう勘弁してくれー(『エージェント・ゾーハン』のようにギャグに転化するならともかくとして)。おそらくは本作でも何度か言及しているようにケイリー・グラントみたいになりたいんだろうけど、そもそもこれはウォルター・マッソー主演の『サボテンの花』(ゴールディ・ホーンの出世作でもある)のリメイクなんだから、言及する先が間違っていると思うんですけど…。あと、せっかく映画の上映前にトークショーを設けておきながら『サボテンの花』について一言も触れないってのは映画祭としてどうなのよ。
なぜかポリス/スティングの曲が大フィーチャー。
『An American Carol』(監督:デヴィッド・ザッカー) ★
考えの浅い皮肉はひたすら寒いという典型例。フェミニストの女性に対して「男にモテないからフェミニストになったんだろ」と言っているような皮肉というか。要するに、本人は皮肉のつもりなんだが、実際には単なる偏見でしかないという類のもの。スラップスティックなコメディとしても出来が悪すぎ。
↑スパルタローカルズの「トーキョウバレリーナ」と、その元ネタであるポリスの「Canary In A Coalmine」を貼っておく。