映画『ラスト・ソルジャー』(監督:ディン・シェン)観賞。★★★★。
ジャッキー・チェンの興行力が落ちてきていることもあって、『香港国際警察 New Police Story』がニコラス・ツェーとの双頭体制だったように、本作もワン・リーホンとの双頭体制。ただし、『香港国際警察 New Police Story』がオールドスクールないわゆる「ジャッキー映画」にドラマとしての厚みを加えた作品だったのに対して、本作は厚みのあるドラマ作品にジャッキー・アクションを盛り込んでいるのが大きく違うところ。ジャッキーの小道具を使ったアクションのキレは未だに落ちていないと思うし、その美しさは往年のフレッド・アステアのダンスに匹敵するとも思うんだが、年齢/体力的な限界によって危険なスタントが行うのが難しくなってきているのは事実。そこをCGでどれだけ補完できるのか、という取り組みが『メダリオン』のような失敗作だったはずだし、『新宿インシデント』のような純粋なドラマ作品への挑戦もその辺りに対する問題意識から生まれたはずだが、本作はそんなジャッキーの試行錯誤がようやく結実した作品になっていたのでなかなかに感慨深いものがあった。
『ベスト・キッド』と違ってジャッキーの明るいキャラクターが活かされているし、最後にきちんとNG集もあるので自信を持ってお勧め。