Various Artists/Destroy That Boy!
★★★
ライノを超える再発レーベルへと成長したエース・レコーズについてのトークイベント(DJはピーター・バラカン氏)をB-B0Y PARKの合間に渋谷タワレコで観たので、その記念として同社から発売されている『Girls With Guitars』シリーズの第2弾CDを買ってきた。
徹底的に60年代のガールズ・バンドの楽曲で固められていた前作と比べると、本作にはアン=マーグレットの曲が収録されていたりして、その辺りの縛りが弱くなっているのは残念。とはいえ、「男の子なんかやっつけちゃえ!」というタイトルとこのジャケ写だけで十分にCD代の価値はあるってなもんだ。
おいら的に大収穫だったのは、カレン・ヴェーロスの「You Just Gotta Know My Mind」が収録されていたこと! そう、本作にはクイアーズが『Pleasant Screams』(傑作!)でカヴァーしていた楽曲のオリジナルが収録されているのだよ。しかも編曲はフィル・スペクターの右腕だったジャック・ニッチェ! いやー、『Pleasant Screams』を買った当時から「作詞作曲はドノヴァンってなってるけど、ドノヴァンはこんな曲発表してないしなあ。もしかしてジェイソン・ドノヴァンのことか?」とか思ったりしてたんだが、やはり正真正銘の「シャクレ王子」ことドノヴァンがソングライターとして1965年に提供した楽曲だったのだ。カレン・ヴェーロスはアメリカの歌手なので、おそらくは音楽出版社にあったデモ音源をレコード会社の人間が掘り当てたというのが真相ってところだろう(ちなみにこの曲は後にダナ・ギレスピーもカヴァーしている)。
というわけでヒップホップへの興味のおかげで、ピーター・バラカン氏を媒介にクイアーズをさらに深く理解することができたんだからポップ・ミュージックって本当に面白いねえという話。全24曲60分。