★★★
シュガーベイブスのメンバーでおいらが1番好きだったのはムーチャ・ブエナだったんだけど、彼女が脱退後の2作『Change』『Catfights and Spotlights』は、逆にフラットな気持ちで聴けたこともあって、彼女が在籍していた時の作品よりも素直に評価し、愛聴することができた。で、そんな近作の立役者であったオリジナル・メンバーのキーシャが、ジェイ・Z率いるロック・ネイション・レーベルに移籍したことに端を発するマネージメント側のゴタゴタに巻き込まれて脱退。ついにオリジナル・メンバー不在となった、つまりナパーム・デス化した新生シュガーベイブスの新作がこれだ。もうジャケットからして嫌な予感プンプン。
…と思ってたんだけど、あれ? 実際に聴いてみたらそんなに悪くないぞ。もちろん、アメリカ市場への過剰な目配せは面白くない(いくらアメリカのヒップホップ/R&Bのエレクトロ化が著しいとはいってもねえ。ショーン・キングストンとか召喚する必要あるのか?)。でも、この人達はポップ・ミュージック史上に残る最悪のカムバック・シングル「Walk This Way」を出した前科がすでにあるわけで、あれに比べたらまだマシ、と思えてしまうのだった(ついでに書いておくと、名曲「About You Now」があれほどまでに感動的だったのは、「Walk This Way」の次のシングルだったからなんだよな)。
キーシャ在籍時に発表されたライト・セッド・フレッド「I'm Too Sexy」ネタの「Get Sexy」とかもあるので、ファンだった方は惰性でどうぞ。全12曲43分。
↑ショーン・キングストンといえば、彼をフィーチャーしたスリー・6・マフィアの新曲「Feel It」は超下品で名曲すぎる(去年のスリー・6・マフィアの来日公演でも演ってましたな)。シュガーベイブスもこれくらいエゲつないことをやればよかったのに。